ウィリー・クレイトン。サザンソウル界隈ではレジェンドとして崇められているシンガーです。全米での知名度は恐らく低いと思いますが、もし現役のシンガーを並べて人気や売り上げを無視し完全能力主義の順位表を作るとしたら確実に上位にランクインしてくるであろう実力者です。1955年ミシシッピで生まれ1969年にはデビューしています。早熟ですね。
低音からハイトーンまで自由自在に声を操り、約50年間歌い続けているのですから大したものです。
これはウィリーが1999年に発表したアルバム「 It's About Love」ですがこの中に I Gotta Good Womanというナンバーが収められています。
「僕の彼女は素晴らしい女性でんねん。疑いの余地がありまへんねん。落ち込んでる時に元気付けてくれまんねん。」
という内容の女性讃歌です。出だしで搾り出すように「I Feel Good」と歌うところからとにかくソウルフル。尋常ではないエモーショナルさで歌詞を紡ぎます。途中から感極まり、「僕の彼女がどれだけ素晴らしい女性か伝えなあかん。電話して誰かに伝えなあかんわ。同じシンガーのTyron Davis(タイロン・デイヴィス)に伝えよかな。あ、Johnnie Taylor(ジョニー・テイラー)にも伝えなあかんな。待てよ、Marvin Sease(マーヴィン・シーズ)にも伝えた方がええな。せや、Denise Lasalle(デニス・ラサール)にも伝えとかな。もっと言うとLuther Vandross(ルーサー・ヴァンドロス)にも電話しよーかな。」的な事をまくし立てる場面があります。こうやって作中でソウル界の偉人の名前を出す事で先輩や同業者へのリスペクトを示しているのもファンとしては非常に嬉しいところです。
今年、2021年にも新作アルバムを発表したウィリー。まだまだ元気に歌い続けてほしいものです。
しかし、ウィリーさん、タイロン・デイヴィスからデニス・ラサールまでは電話番号を知っていたでしょうがルーサー・ヴァンドロスの電話番号は知らなかったのではないでしょうか、、なんてどうでも良い事を考えながら今夜もピーナッツをおつまみにちびちびお酒を飲んで参ります。
https://m.youtube.com/watch?v=jJBqkYfAx6Y